郵便料金計器など郵便処理システム大手の米ピツニーボウズ(コネチカット州)は日本での販売強化に乗り出した。インターネットを利用して郵便物の発送状況を管理するシステム「インテリリンク」を開発、海外での導入例を携えて政府や郵便利用者である企業に売り込む。郵便事業の民営化議論を追い風にできるか、マイケル・クリテリ会長兼最高経営責任者(CEO)ら経営陣に戦略を聞いた。
豪、1年で利益5割増
--インテリリンクの海外導入実績は。--
クリテリ氏 「1999年に開発後、米国や豪州、フランスなどで導入済み。豪では政府がシステムを導入、1年で利益が5割増加した。郵便物に高い価値を付加することができるため、郵便利用者が増えて収益拡大につながるサービスだ」
マレー・マーチン上級副社長 「郵便と電子メールとを統合して一つのシステムを構築できる。機械に郵便物を通すと発送日・時間や発送者を印字して記録する。情報は同時に電子データ化され、パソコンからインターネットを介して発送状況を確認できるため、郵便物がいつどこで発送されたか特定できる。配達確認する場合にも手数料がいらない」
ブライアン・バクセンデール上級副社長 「郵政事業庁だけでなく、ダイレクトメール代行業者のような大口ユーザーも利用可能。郵便物の内容証明を代行したり発送物を追跡したりする機能もある」
--連結売上高が約四千六百億円なのに比して、日本での売上高は五十億円と少ない。--
マーチン氏 「世界では郵便機器市場の62%が当社の製品。一方で日本では郵便処理機そのものが普及していない。郵便処理機を通過して発送される郵便物は全体の六%と、世界で一番低い。フランスは郵便局と一体でシステムの利用を広げているため52%。日本市場の潜在規模や可能性を下に戦略を決めていく」
技術力ある企業買収
--日本市場で拡販するための方策は。--
クリテリ氏 「これまで日本市場向けにサービスや技術を開発してこなかった。今後はサービスセンターを増やすなど直販体制を強化する。さらに、当社のシステム利用を考えている大企業との提携や、技術力のある企業の買収によって現在不足している部分は乗り越えられると考えている」
バクセンデール氏 「日本で導入された郵便機器の60%以上が当社製だ。現在約50億円の売上高も米ベルハウエル社の日本法人を買収すると収益は純増で2倍になる。3年後には売上を合併時の2倍としたい」
--郵政事業が民営化された場合の戦略は。--
クリテリ氏 「最も提携したい相手はもちろん郵政事業庁。だが郵便を発送する企業も当社のシステムを利用して郵便物を発送すればコスト削減ができるはずだ。システム利用を考える企業は増えるだろう。戦略的、効果的に他社と技術提携し、より良い郵便配送システムの構築を目指さなければならない」
炭疽菌事件マイナス
--米国で郵便物に炭疽(たんそ)菌を混入する事件が相次いだが、影響は出ているか。--
クリテリ氏 「郵便物の安全性を確保、保証しようとする意識が高まっており、米国をはじめ各国でシステムに注目が集まっている。一方で、経済活動の低下で郵便物の量が減少しており、機器の販売にはマイナスに働いている。長期的に見ればこうしたプラス、マイナス両面の差は埋まり、システム導入が進むと考えている」
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2001年12月12日

